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自立生活センター東大和

2007 ASIA TRY in KOREA 報告書(1/5)

 

TRY概要・歴史について

TRYとは、1986年に始まり、兵庫県西宮市のCIL(自立生活センター)「メインストリーム協会」が続けてきた、鉄道のバリアフリー化を訴える車椅子での野宿旅イベントのことです。今までに、大阪−東京間、旭川−札幌、仙台−盛岡、高松−松山、鹿児島−福岡、福岡−東京間など全国を車椅子で歩きました。そして、2001年の夏、TRYは海を越えて韓国へ。日本メンバー・韓国メンバーが一丸となって「韓日TRY2001」と題し、釜山−ソウル間を1ヶ月間かけて激歩。ワールドカップの競技場、鉄道の駅などをバリアフリーを訴えながら歩き、その活動は韓国の鉄道、障害者観をもゆるがしました。TRYの目的は歩くことで社会に障害者の現状を訴え、仲間と一緒に旅をし、自分たちも楽しみながら社会を変えていこうとすることです。

 

2007 ASIA TRY in KOREAとは

今回私たちはバリアフリーだけではなく、さらに大きく考えて、障害者が社会の中で生きるということを考えました。日本では支援費制度や障害者自立支援法が出来て、障害者が社会に出て、自立して暮らしていくという一定の制度はできました。また、国連においては昨年12月に障害者権利条約が採択され、世界的に障害者が社会の中で暮らすということはあたりまえという認識になっています。しかし、日本ではそれらはまだ社会全体ではあまり知られておらず、誰もが自立して暮らしていける社会の実現には時間がかかります。さらに他のアジアの国々では障害者を取り巻く環境がまだ成熟しておらず、社会の中で暮らしていくのは日本以上に難しい状況にあります。このような状況を変えるために私たちは歩きました。

 私たちの考える「自立」はどういう生活をしたいかとか、どういう生き方をしたいかを障害者自身が決め、実現していくことです。トイレや食事などが一人で出来なくても自分自身のことを自分で決めることが大切だと考えています。たとえどんなに障害が重くても、普通の人と同じように街で暮らして、何らかの役割を果たしたり、友達と遊んだり、好きなところに出かけていったり、恋をしたりできると思います。それには、国境はないと思います。

 今年9月5日(水)〜8日(土)にかけて、韓国でDPI(Disabled Peoples’ International)世界会議が開催され、世界中の障害者が集まり、国際的な障害者問題について話し合われました。プレイベントとして多くの人に社会で自立して暮らしていきたいという思いを伝えることが出来またと思います。

 今回私たちは障害者が中心となり、一般韓国市民と交流しながらアジアの障害者問題を一緒に考えて歩きました。アジア各国から歩けない人や、目の見えない人や、耳の聞こえないひとや、言葉が話せない人など、様々な障害を持つ人が参加しました。その期間中ミニイベントとか、野宿を共にし、汗をかきながらソウルまでの道のりを楽しみました。灼熱の太陽の下、国を超え、障害を越え、共に笑い共に泣き、新しい出会いをつくり、友情を深めて、このTRYを通してアジアの中に障害者の大きなネットワーク作りの第1歩を踏み出せたと思います。アジアの国々で一人でも多くの障害者が社会の中で自立して暮らしていける社会になることを願います。

≪時期≫ 2007年8月28日(火)〜9月2日(日)
≪場所≫ 韓国、ソウル
≪主催≫ 2007 ASIA TRY 実行委員会
≪後援≫ 朝日新聞厚生文化事業団
       毎日新聞大阪社会事業団
≪協力≫ ソウル障害者自立生活センター
       自立支援センター・ぱあとなぁ
       自立生活センター・あるる
       自立生活センター・東大和
       自立生活センター・メインストリーム協会
       自立生活夢宙センター

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